私たちは、一日に約2万回の呼吸をしているといわれています。
吸って、吐く。
そのたびに体へ入ってくる酸素は、いったいどこへ向かい、何をしているのでしょうか。
酸素が運ばれる道すじ
鼻や口から入った空気は、気管を通って肺へと届きます。
肺の奥にある「肺胞」という小さな袋には、細い血管が網の目のように張りめぐらされています。
ここで酸素は血液へと受け渡され、代わりに二酸化炭素が血液から空気中へ出されます。
血液に取り込まれた酸素は、赤血球の中の「ヘモグロビン」と結びつき、心臓のはたらきによって全身へと送り出されていきます。
細胞の中で、エネルギーになる
酸素の行き先は、全身の細胞です。
細胞の中には「ミトコンドリア」と呼ばれる小さな器官があり、ここで酸素と栄養素からエネルギーがつくられています。
このエネルギーがあるからこそ、心臓は動き続け、脳は考え、筋肉は力を出し、傷ついた組織は修復されていきます。
食事から栄養をとっていても、酸素が足りなければ、そのエネルギーを十分に取り出すことはできません。
酸素と栄養は、いつも対になって働いています。
足りないときに現れるサイン
酸素をたくさん必要とする場所ほど、その不足の影響を受けやすくなります。
たとえば脳。
重さでいえば体のごく一部ですが、消費する酸素の量は全体のおよそ二割にもなるといわれています。
頭がぼんやりする、集中が続かない、あくびが増える。
そうした身近な変化の背景に、酸素の巡りが関わっていることもあります。
巡りを整えるという視点
酸素は、ただ吸えばよいというものではありません。
取り込み、運び、届けるという一連の流れが整っていることが大切です。
深い呼吸で取り込む量を増やす。
体を動かして血の巡りをよくする。
姿勢を正して、胸まわりをのびやかにする。
どれも特別なことではありません。
けれどその積み重ねが、体のすみずみまで酸素を届け、私たちの毎日を静かに支えてくれています。
